みなさんこんにちは、Reeです!
今回は、2021年8月16日に発売された国外逃亡ADV『ROAD96』のレビュー・評価をしていきたいと思います!
『ROAD96』は、2021年11月6日に放送されたインディーズゲーム情報番組『INDIE Live Expo 2021 Winter』にて、第2回「INDIE Live Expo Awards」の大賞を受賞した作品ですね。僕も同放送を視聴していたのですが、めちゃくちゃ気になったため、即購入した一作です笑
上でも紹介した通り、国外逃亡を体験する『ROAD96』をやってみて思ったことは「日本に生まれてよかったな…」って。
作品概要
『ROAD96』
発売日:2021年8月16日
発売・開発元: DigixArt
プラットフォーム:PC、Nintendo Switch
プレイ人数:1人
価格:2,196円
Reeのクリア時間:約8時間程度
『ROAD96』を制作したDigixArtは、フランスのモンペリエを拠点とするビデオゲーム開発会社です。これまでにストーリーに重きを置いたランアクション『ロストインハーモニー』や、第一次世界大戦下を追体験できるADV『11-11』等を発売しています。
また同作は、クエンティン・タランティーノやコーエン兄弟、ポン・ジュノ作品にインスパイアされているそう。『ROAD96』を通してプレイした身から言わせてもらうと、まさに映画を追体験している感覚だったので、納得です!
さらに同作は、大規模なAIを使用して複雑なシステムが作られており、プレイヤーの選択ひとつで大きくストーリーが変化していくという、とんでもねぇ仕様となっているんです!
これにより、物語は千変万化、無限に変わるストーリーを楽しむことができる作品となっています!
いや、普通にすごくね…?
あらすじ
少女は旅の途中で、助けを必要とする人々と出会い、さまざまな決断を強いられることに。その決断が、少女の国境への旅を大きく変化させ、幾千もの物語が生み出されていく。
『ROAD96』は、某合衆国をモチーフにした独裁国・ペトリアから脱出を図る少女となって、国境線である96号線を目指す物語。道中で個性的なキャラクターと出会い、ストーリーが進展していきます。
ペトリアを独裁国家とたらしめた原因とも言える大統領・タイラック。この圧政に反発すべく立ち上がったテロ組織「黒い旅団」。さらに、タイラックとの対立出馬した議員・フローレス。
この3すくみの関係がペトリアの実状です。
登場キャラクター的には、警察が属するタイラック派と、暴力で解決(だけじゃないけど)する「黒い旅団」がメインとなって進行していきます。最低限、プレイ前にこの2派閥の関係性だけは覚えておいて損がないと思います。
ただ、タイラックはしっかりと極悪非道。厳しい報道規制を敷き、正しい民意は一切反映されません。テレビ局もガッツリとタイラック派。おい!メディアとしてどうなんだ!!偏向報道反対!!
ちなみに、ここまで少女が独裁国家からの脱出を図る「ロードゲーム」といった形で紹介しましたが、実は同作の本筋は少女の目線から「ペトリアの行末を見守る」というもの。
そのため、最初の少女を脱出に導いたあとは、次の少女へとバトンタッチ。
6月1日から始まったストーリーは、9月9日の選挙の日まで受け継がれながら続いていきます。
個人的に当初、1人を脱出させるゲームだと思っていたのでビックリしました笑
良かった箇所・評価点
ここからは、『ROAD96』の良かった箇所や魅力、評価点について紹介していきたいと思います!
終末的世界で起こる治安が悪すぎる事態
タイラック大統領による独裁&圧政が強いられているペトリア。そう、この国はもはや崩壊しているんですよね。
『ROAD96』では、そんな終末的世界観が見事に表現されています!
というのも、ペトリアはマジで治安が悪いんです。
普通に、見た目の悪いギャングがいるし、
普通に、おじさんに銃を突きつけられます。
マジでイカれてんだろ
他にも、モブキャラの発言の端々にタイラック派かフローレス派か、黒の旅団公認派か否定派か…が隠れているなど、細かな部分にまで工夫されており、選択肢ひとつをミスるだけで一気に周囲の空気感がピリつくことも。。
ただ、この一手間違えるだけでゲームオーバーというキメラアントの王・メルエムの圧迫将棋並みの厳しさを楽しむのも、『ROAD96』の評価点のひとつと言えるでしょう!
ただのロードストーリーに収まらないゲーム性の広さ
『ROAD96』は基本的に、選択肢を選ぶことでストーリーが展開する「ロードストーリー」形式で進行していきます。ただ、そこだけの枠に収まらないのが『ROAD96』の良いところなんですよ!!
というのも、『ROAD96』ではストーリー内で数々のミニゲームが登場します。しかも、超突然ミニゲームに巻き込まれます。
トランペットを吹く音ゲーや、ネイルガンで追手を巻くTPS視点でのシューティングゲーム、他にも特殊効果がアリの1vs1の戦車バトルなどなど、かなりバラエティーが豊か。
通常、ストーリーを追うだけの『ロードストーリー』形式では、どうしても飽きがきてしまう人もいると思いますが、圧倒的なゲーム性の多さによって最後まで飽きなく楽しむことができました!
主要キャラの深すぎる関係性
上でも紹介した通り、『ROAD96』では複数の少女の視点を乗り継ぎながらペトリアの行く末を見守るゲームです。ただそれだけではなく、少女の視点を乗り継ぎながら主要キャラの運命を見守るというのも、本筋のひとつなんです。
ここまであえて触れてきませんでしたが、『ROAD96』に登場する主要キャラたちは、少年から訳ありの大男、婦警にニュースキャスター、殺し屋に秘密を隠し持つ少女と様々。
しかし、じつは「86年のテロ事件」という過去に起きた悲惨な事件奥深いところで関係し合っているんです。これらに関しては、『ROAD96』の物語に大きく関わってくるので、ぜひ自分でプレイしてその核心を見届けてもらいたいです。
残念な点・改善してほしい箇所
総合的に超傑作で第2回「INDIE Live Expo Awards」の大賞を受賞したほどの作品である『ROAD96』。ただ、レビューサイト等で評価が割れている点や、個人的に「ここだけは改善してくれよ…」って感じる点もチラホラあったので、紹介していきます。
圧倒的ガバ翻訳
これまで紹介してきた写真を見るとある程度察せる人もいるかと思いますが、『ROAD96』はとてつもなくガバガバな翻訳になっています。超ガバ翻訳です。
そこら辺は、マジでTHEインディーゲーって感じ。
ただ、なんかギリギリ通じるんですよね。
というのも、インディー作品あるあるなんですけど、英語の文型そのままで直訳してるんですよ。
だから、意味わからないところで倒置法になってたり、絶妙におかしい意訳がされていたり…全体的にちょっとおかしい翻訳になっています。
ただ、これらはインディー作品に触れる人であれば結構慣れてくるので、個人的にはあまり気にせずプレイすることができました。
全体的にカクカクな操作性
こちらもインディーゲーあるあるですが、操作性が全体的に超イマイチなんです。
というのも、『ROAD96』はゲーム性上、定期的に選択肢を選ばなければならないタイミングが来ます。最近のゲームでは、選択肢が出るとスティックを上下するだけで選択ができるものが多いのですが、同作では視点操作をしてしっかりと選択肢に合わせないと選ぶことができません。
僕はSwitchでプレイしたので、より一層操作性の悪さを感じました…。おそらくSteam版ならある程度改善されるかも…?
総括:ロードゲームとしての完成形 人生を垣間見る傑作
ここまで『ROAD96』について色々と評価してきましたが、
総合的に神ゲーでした。
やはり映像面やシステム面においては所々荒が目立つ部分もあったのですが、AIを駆使した千変万化なストーリー展開や国の行末を見守るというテーマなど、インディー作品ならではの飛び抜けた一面がどれもこれも最高。
INDIE Live Expo Awardsで大賞を受賞したのも納得な傑作となっていました!
一人一人の選択ひとつで全く変わったストーリーになるし、プレイヤーの考え方次第で結末も大きく変化していきます。
その新たなゲーム性を体感してもらいたい!!
以上で、『ROAD96』のプレイレビュー・評価を終わりにします!
また次の記事でお会いしましょう!!
おまけ
はい、Reeお気に入りの作品で恒例の「おまけ」コーナーですね。ここまでのレビューでは伝えきれなかった個人的に好きなシーンを紹介していきます!
ネタバレも含むので、ぜひプレイしてから見てもらえると!(ストーリーが変わるゲームだからあまり関係ない可能性もアリ)
ペトリアの行末
僕は7人の少女で終了。ペトリアの左から右までしっかりと巡りましたね笑
ちなみに、7人中5人亡命成功、1人逮捕、1人死亡という結果に。
正直、逮捕はなくてもクリアできたな〜といった感じなので、今からプレイする人は体力ゲージには気をつけてね!
また、ラストはタイラック政権を廃止する形で決着。
なんとかペトリアはいい方向に行けばいいな〜と思いつつ、ここまでたどり着くのに払った犠牲の数を考えると少し悲しい気持ちになります。
もしプレイした人がいたら、どんな結末になったのかコメント欄で教えてもらえると嬉しいぞい。
ゾーイがかわいいのよ…
『ROAD96』のヒロインともいえる存在・ゾーイ。正直、洋ゲーなのでポリポリコレコレって感じで、ジャパニーズグラフィックに親しみ深い僕からすると、あんまり美人には見えないんだけど、内面がいい女なのよ。
なんなら仕草もかわええ。
中盤では、ゾーイが警察に捕まる大ピンチな事態に…。
こんなんさ、ゾーイかわいいし、頑張って生き残ってほしいから助けちゃうじゃん。
なんなら、ゾーイを助けて自分が射殺されるか、自分が生き残ってゾーイが死ぬかを選択しないといけなくなるのよ。
こんなんさ、ゾーイかわいいし、頑張って生き残ってほしいから助けちゃうじゃん。
対組織の構造がおもろいんよ
Mr.諸悪の根源・タイラック。見た目が某前大統領にそっくりなのも皮肉が効いてていいんだよな〜。
ロバートは黒の旅団の代表。暗躍する悪ですね。
こいつもかっこいいのよ。
この手の映画で出てくるめっちゃいいところの役どころ。感覚的には『天空の城ラピュタ』の空中海賊の一族をまとめる女ボス・ドーラ的なポジション。この組織を通したテロ活動も『ROAD96』の魅力なんだよな〜。
全体を通してゲームシステムが斬新で、いかにもインディー作品って感じの傑作でした。これにて、本当に『ROAD96』のレビュー・評価を終わりにします!
では!!
会社員ライター。同ブログでは編集を担当。
インディーズゲームが好き。ゲーム歴はメンバー内で一番浅い。
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