『リコリス・リコイル』最終話感想 感動のラストを迎えた名作を全編通して振り返る ネタバレ有り

リコリス・リコイル アニメレビュー

『リコリス・リコイル』最終話感想 ※ネタバレ含みます

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今、最終話視聴後の興奮冷めやらぬままこの記事を書いています。どうも、はたです。

みんな、リコリコ最終話観たよな? というかそもそも視聴してたよな? 以前出したリコリコ紹介記事であんなに激推ししたもんな!!?(過激派)

思えば、最初の勢いそのままに、最後まで一気に走り抜けて見せた素晴らしい作品でした。序盤・中盤・終盤隙が無かったね!
最終回はあえて真実をハッキリと描かない部分があり賛否あったかと思いますが。私は、観た人それぞれが己の解釈を持てる粋な演出だと感じました。

ということで今日は、最終話の感想を、改めて1クールを振り返っての感想も交えながら語っていこうかなと思います。まとまりがイマイチな文章になってしまうかもしれませんが、いちファンが早口で喋っていると思ってどうかお付き合いください。

ちなみに、最終話の深堀り考察と未回収伏線についてまとめたパート2の記事も出してるので、そちらも是非チェックしてみてください!皆さんの考察や感想もお待ちしております!

↓ガチ考察記事はこちら↓

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主題:真の悪者はいない

これは最終回で粒立てて表現されていた、この作品の大きなテーマの一つです。

悪者は映画の中だけで、現実では各々が自分の信じる正義に誓って行動している。「戦争は正義と正義のぶつかり合い」なんて言いますが、リコリコの世界でも、主要キャラ全員が己の正義に準じて動いている。だから誰も憎めないんですよね。悪役っぽく描かれていた真島さんや吉さんでさえも、悪意の人物ではないのがこの作品のミソ。

千束と真島

最終決戦は「世界のバランスを取って、世界を本来あるべき姿に戻したい」真島と、「世界なんてどーでもよくて、自分の周囲にある小さな世界の現状維持を望む」千束の対決。それぞれの志を全うしようとすると、どうしても相手を制する必要があったわけです。

真島の行動も世界を救いたいという気持ちから来ているので、見方を変えれば彼も正義の味方の1人なんですよね。まあロボ太のことをちゃんと名前とか相棒って呼んだあたりから、ただのヤベー奴ではないことは分かっていましたが。

加えて真島が最後に仕掛けた「爆弾に見せかけた花火」からも、彼が真の悪者ではないことが分かります。あれは単に千束に本気で向かって来て欲しかったからってことですね。ちさたきに花火をプレゼントする真島さん、YouTubeの次回予告通りしっかりとサプライズしてみせました。

で、そんな二人の戦いは3部構成。
延空木での第1ラウンドはお互いが相手の真意がよく分からないまま戦っていましたが、途中ドリンク休憩を経てようやく相手の掲げる正義が何かを知るわけです。その上で、改めて相手をねじ伏せなければいけないことを理解して第2ラウンドが始まります。

途中肩を撃たれ劣勢になるもヒロインたきなの登場により千束が覚醒。千束の志の中でも一番守りたい人物を守るために心臓が大きく波打って、最後は幼少期の殺意MAX千束の片鱗を見せて真島さんが昇天して決着します。

もうね、この数分間の戦闘シーンを見るだけで千束と真島がどんな人物かがまるっと理解できるように描かれてるんですよ。本当に凄い。

そしてやっぱり、2人は最後まで敵同士だったけど心の距離感は近いんじゃないかって思いますね。もし2期があれば、DAの劣勢時に洋画のカッコイイ銘台詞と共に味方として再登場しないかなあと思っちゃいます。(それに洋画ネタで返す千束と話に入れないたきなの図)

ミカとシンジ

ほぼ同時刻に旧電波塔で決着をつけたミカと吉さん。むしろこっちサイドの方が胸の痛くなるやり取りをしていまして…。

まず、ミカというキャラクターですが、彼は最後まで板挟みの中で苦悩し続けた人物でした。

前提として、ミカにとって千束は愛する子であり吉松は愛する人です。そんな2人のすれ違いに気づいた上で、吉さんには「千束を殺し屋に育てる約束」を、千束には「吉松が救世主」だと2人に嘘をつき続けてきました。これが本人にとってどんなに辛かったことか、想像に難くありません。
途中吉さんを説得するも意思は変わらず、千束も最後まで吉さんを信じていて、もはや見ているこっちの心臓が苦しくなるレベル。最終的には千束の寿命のせいでどちらか1人だけを選ぶほかなくなり、彼は千束を選び吉さんを撃ちました。

改めて見ると、ミカは足のことも含めて嘘だらけの人物でしたが、それは愛する2人のためを想ってのこと。彼には一番幸せになって欲しいなと切に願います。とりあえず彼が喫茶リコリコでまた笑っている姿が見られて私は心底安心しました。

一方で吉松シンジというキャラクターは、ミカとは真逆で「嘘をつかない」人物。これはミカのセリフですが、おそらく本当のことでしょう。吉松は最初から最後まで一貫して「アラン機関の決めた生き方=幸せな生き方」だと信じていました。いや、信じていたというよりは、それが当たり前の常識だとアラン機関に刷り込まれていたと言った方が正しいかもしれません。

千束の場合は「アランの意思=殺し」だったので、彼は千束が殺しの才能を開花させて生きていくのが幸せになれる唯一の方法だと本気で思っていました。裏を返せば、千束を愛して大切に想っていたことも本心ということです。思い返してみれば、影武者を使って東京観光をした時も娘のように想っている節のセリフが漏れてましたね。

そう考えると、愛する千束には最後まで分かってもらえず、愛するミカには嘘をつかれ続けていた吉松もまた、悲劇の人物だったのかもしれません。

心臓の在処やメッセージカード、ミカの足の謎は考察パートの記事の方で詳しく話しています。

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全編を通して

ストーリー構成の絶妙な緩急

全体を通して最初に言いたいことは、テンポが良すぎたということです。前半は、コミカルな日常風景の要所要所に重要なシーンを上手ーく忍ばせる。後半のシリアス展開でも雰囲気が暗くなりすぎないようにコミカルなシーンを混ぜる。この視聴者を飽きさせない工夫が見事にハマっていたなと改めて感じました。コメディパートとシリアスパートの絶妙なバランスに真島さんもニッコリ。

そして、この作品の明るい雰囲気づくりに一番貢献したキャラクターこそが中原ミズキなんです。次項で詳しくお話しします↓

変化するものと変わらないもの

初めと終わりで一番変化した人物はやはりたきなでしょう。千束と出会いDAの外の世界に触れたことで、年頃の少女然とした感性を育んでいきました。最初は同僚の命を平然と危険にさらしていたのが、最後には友のために怒って叫んで泣くようになりました。もうなんか千束にタメ口で文句言ってるだけで感慨深いものがあるというか。

彼女の変化が一番感じ取れたのは、真島討伐作戦中の2度にわたる命令違反のシーンだと思います。階段で命令を無視して旧電波塔へ向かうシーンは、命令違反の理由が任務達成ではなくて「千束を助けるため」に変化しているんですよね。もはや、たきなにリコリスの考え方は残ってないんです。
加えて、エレベーターで撤退命令が下ったシーンでは、なんとフキに折衷案を持ち掛ける成長ぶり。以前のたきななら、命令通り撤退するかサクラを犠牲に真島を討ちに行っていたでしょう。まったく、賢く育ったわねぇ…

一方で、最初から最後まで変わらなかったのはミズキ。このキャラは最後まで物語の根幹には関わってこなかったですが、その分ストーリーが目まぐるしく展開していく中で唯一安心感を与えてくれた存在だったと感じました。

物語が複雑になりすぎないようにするためにも、一貫して変わらない彼女の存在は必要でしたし、彼女が終盤も変わらずにいたおかげで喫茶リコリコという場所が守られたような気がします。途中姫蒲説とか言ってゴメン。

新たな手法の数々

作品の制作サイドにも少し触れておきたい。

まず、アニメの評価に直結する「ストーリー・作画・キャラクターの魅力」は言わずもがな高水準でした。加えて音響やミリタリー要素への拘りも凄まじかったです。

しかし、この作品の注目度が爆発的に上がった要因はそれだけではないんです。「作品内とリンクしたキャラクターの個人Twitterアカウントや喫茶リコリコのTwitterアカウント運用」や「一切予告をせずに茶番を繰り広げる次回予告のYouTube投稿」といった他に無い取り組みこそが、この作品を唯一無二の作品にさせたと思っています。製作陣のPR戦術にあっぱれという他ありません。

尺不足感は否めないか

ここまでさんざん褒めちぎってきましたが、物語全体を見ると評価が難しいところ。

まずは、真島というキャラの早期投入。これによって物語は大きく動き出すわけですが、その分視聴者が見たかった描写の尺が犠牲になった説が浮上してきます。一つ例を挙げるなら凸凹コンビ時代の「ちさたき」の物語。個人的には、たきなが千束に心を開いて銘バディになるまでが早すぎたと感じました。リコリスとして二人が秘密裏に依頼をこなす姿をもう少し見ていたかったのが正直な感想です。

ですが、真島というキャラクター自体は好きですし、物語上必要な存在だと私は思っています。まあ真島プッシュが強くて、後半たきなはほとんど蚊帳の外でしたが・・・。

物語の設定に関しても言及が足りなかった印象。特にアラン機関の正体は最後まで分からず、DAとの繋がりも示唆されていましたが明らかにされず。楠木指令やロボ太、姫蒲といった脇役はストーリー進行の歯車に過ぎず、ミズキやくるみといったメインキャラクターたちにも、もっと深掘りが欲しかった所。世界観と言ったらそれまでですが、それにしても平和ボケしすぎな一般市民・・・。

まあ、これらの「はしょり」は全て大筋の物語を丸く収めるためであり、そもそも設定をフルに使った濃密なストーリーを展開することが作品の目的ではなかったのだと思います。あくまで見せたいのはキャラクターであり、そのために必要な良い感じの舞台設定を後から用意したって方が正しそう。設定厨的な見方ではなくて、素直に「ちさたき最高!」って楽しんで欲しい、そんな意図が強く感じられました。

最後に、全ての尺の都合を「天才ハッカーだから」で大幅短縮してみせたくるみちゃん。作品内外で優秀すぎる。

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最終回を終えて

最後に、全放送を終えた『リコリス・リコイル』という作品の最終評価がどうなったか見てみようと思います。

まず、最終話のトレンド数が凄いことになってます!しかもこの作品、最終回に関わらず毎話放送日にトレンドに載っていて、今どきのアニメでは本当に珍しいです。最後まで注目を集め続けた作品となりましたね。
加えて…↓

円盤の初動売り上げも絶好調!有名タイトルと肩を並べる程です。円盤が売れにくい今の時代に、あからさまな特典商法を用いずにこの枚数売り上げているというのは、純粋に作品が評価されている証拠と言えます。

正直ここまで売れれば2期製作も現実的だと思います。現に中盤から終盤にかけて、明らかに次回作に向けて謎を残している節があり、作ろうと思えば作れる状態にしたと感じさせられました。てか絶対続編やってくれマジで!

というわけで、以上『リコリス・リコイル』の最終話を視聴しての感想でした。
まだまだ細かい部分で語りたいことはたくさんありますが、際限がなくなってしまうのでこの辺にしておきます。それと、最終話の深堀り考察と未回収伏線についてパート2の記事にまとめているので、そちらも是非チェックしてみてください!

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私個人この作品を振り返ってみて、ここ数年で一番の”良”作品に出会ったなという評価でした。正直今年の暫定一位だった『着せ恋』と同レベルか、超えてくるかってレベル。オリジナルアニメってこともあり期待が相当高まる中で、その期待にしっかりと応えきってみせたことに驚きと称賛の気持ちでいっぱいです。とりあえず未来の2期放送までに、ブログメンバーを連れて宮古島へ聖地巡礼しようと思います。

今回はここまで。最後まで読んでいただきありがとうございました!

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